コクヨ株式会社 採用サイト分析レポート

サイトの概要
コクヨ株式会社の採用サイトは、文具・オフィス家具メーカーであるコクヨの採用活動を目的とした公式ウェブサイトです。
インターンシップ、新卒採用(26卒、27卒)、キャリア採用といった幅広い採用ニーズに対応しており、コクヨの企業文化、事業内容、プロジェクト、職種、働く人々、オフィス環境、研修制度、福利厚生など、多岐にわたるコンテンツを提供しています。
Instagram、Facebook、X (Twitter)といったSNSとも連携しています。
サイトの目的と意図、特徴的な部分
このサイトの主要な目的は、「コクヨ独自の企業文化と働き方を潜在的な応募者に深く伝え、共感し、共に新しい価値を創造できる優秀な人材を獲得すること」にあります。
「問い」を重視する企業文化の強調
サイト全体を通して「Let’s be (Q)reative.」というメッセージや、「『問い』から始まるプロジェクトストーリー」といった表現が繰り返し使われています。
社員一人ひとりが自ら課題を発見し、解決策を探求し、新しい価値を創造していくコクヨの独自の企業文化を強くアピールし、それに共感する人材を惹きつけようとする強い意図があります。
「実験カルチャー」の紹介と具体的なプロジェクト例
「コクヨの実験物語」として、GLOOやingLIFEといった具体的なプロジェクトを例に挙げながら、新しい価値創造への挑戦と、組織に根付く「実験的なカルチャー」を紹介しています。
単なる理念だけでなく、実際の事業活動の中でどのように「問い」を立て、挑戦しているのかを具体的にイメージさせ、応募者の興味と理解を深めています。
多様なコンテンツによる多角的な魅力伝達
プロジェクトストーリー、社員インタビュー、事業部紹介、オフィス紹介、研修制度、福利厚生など、様々な角度からコクヨの魅力や働き方を伝えています。
応募者は自身の興味やキャリアプランに合わせて、必要な情報を深く掘り下げて理解できます。
特に社員インタビューは、リアルな声を通じて企業文化や職場の雰囲気を伝える上で非常に効果的です。

幅広い採用ニーズへの対応と情報更新の頻度
インターンシップから新卒採用(26卒、27卒)、キャリア採用まで、幅広い採用フェーズに対応した情報を提供しています。
また、新卒初任給の引き上げや募集要項の公開など、採用に関する最新情報が定期的に更新されており、常に新鮮な情報を提供することで、応募者の関心を維持しようとする姿勢が見られます。
これらの特徴から、コクヨ株式会社の採用サイトは、「単なる募集要項の羅列に留まらず、企業の哲学や文化、働きがいを深く伝えることで、コクヨのDNAに共感し、長期的に貢献できる、質の高い人材を戦略的に採用するブランドサイト兼リクルートサイト」であると評価できます。
UI・UX についての分析
コクヨ株式会社採用サイトのUI・UX(ユーザーインターフェース・ユーザーエクスペリエンス)は、「ブランドイメージの訴求」「情報の整理とアクセス性」「ユーザーエンゲージメントの促進」を重視した設計がなされています。
一方で、各ページはアニメーションが多用されており、環境によってはページの読み込みに時間がかかるものと推察されます。

シンプルで洗練されたデザイン
全体的にシンプルでクリーンなデザインが採用されており、情報が整理されて見やすく表示されています。
これは、コクヨの製品が持つ「機能美」や「使いやすさ」といったブランドイメージと一貫しており、応募者に信頼感と安心感を与えます。
適度な余白と高品質な写真やイラストの使用により、コンテンツの視認性が高く、快適に情報を読み進めることができます。
各セクションの見出し、小見出しには「タイピング」を思わせるしつらえがされており、オフィス用品を扱う会社らしさ、ちょっとした遊び心が見えます。
直感的で体系的なナビゲーション
主要なメニューが分かりやすく配置されており、インターンシップ、キャリア採用、新卒採用といった採用種別や、コクヨについて、職種紹介、働く人々など、ユーザーが求める情報に直感的にアクセスできる構造になっています。
各コンテンツに「01」から始まるセクション番号が(右上部分、やや目立ちにくい箇所ですが)振られている点はユニークで、サイト全体の構成を分かりやすく示すとともに、各コンテンツへの「View Index」や「Read More」ボタンが、ユーザーが興味のあるコンテンツに深くアクセスしやすくなるよう設計されており、ユーザーの好奇心を刺激し、探索を促しています。
エンゲージメントを高める仕掛け
プロジェクトストーリーや社員インタビューは、テキストだけでなく、写真やレイアウトを工夫することで、まるで雑誌を読んでいるかのような没入感を提供していると推測されます。これにより、応募者はコクヨで働くことのリアリティや魅力をより強く感じられます。
Instagram、Facebook、X (Twitter)といったSNSへのリンクが目立つ位置にあり、情報共有や、SNSを通じた企業とのエンゲージメントを促しています。
レスポンシブデザイン
就職活動を行う学生や転職活動中の社会人が、スマートフォンで情報を検索する機会が多いため、レスポンシブデザインが採用されており、様々なデバイスで快適に情報を閲覧できるよう設計されています。
全体として、コクヨ採用サイトのUI・UXは、「コクヨのユニークな企業文化と働きがいを魅力的に伝え、応募者が企業を深く理解し、自身のキャリアと照らし合わせて検討できるような、質の高い情報と体験を提供する」ことに徹しており、そのデザイン性と機能性が高く評価できる採用サイトであると言えます。
分析のまとめ
コクヨ株式会社の採用サイトは、「問い」から始まる「実験カルチャー」という独自の企業文化を深く訴求し、それに共感し、共に新しい価値を創造できる優秀な人材を獲得するための、戦略的なブランド兼リクルートサイトです。
サイトの目的は、コクヨの魅力を多角的に伝え、質の高い応募者を惹きつけることであり、企業文化の強調、具体的なプロジェクト事例の紹介、多様なコンテンツによる魅力伝達、そして幅広い採用ニーズへの対応を通じて、その意図が明確に表現されています。
UI・UXの面では、シンプルで洗練されたデザインと、直感的で体系的なナビゲーション、そしてユーザーエンゲージメントを高める仕掛けが特徴です。
総じて、コクヨ株式会社の採用サイトは、企業の哲学を明確に伝え、候補者との深いマッチングを図ることで、未来を担う人材を戦略的に獲得している、優れた採用ブランディングサイトであると評価できます。
メモとして:本文中では触れていませんが、「キャリア採用エントリー」からジャンプするページでは物理演算を利用したアニメーションが利用されているようでした。今後このような表現手法について知りたいと思う一方で、複雑なアニメーション故か読み込みに時間がかかっているとも感じたので、使いどころや頻度についても考えていきたいと思います。